電子商取引の発展や、物流センターや工場での自動化ニーズにより、無人搬送車(AGV)市場が急成長する中、新規参入の競合他社、自動化を進める老舗メーカーが、AGVの製品ラインアップの増強にしのぎを削っています。
このような厳しい競争の中で、日本の輸送機器メーカーであるNKCは、新しいサービスやより革新的なSLAM AGVを通じて、差別化を図る新たな方策を見出すべく、プロジェクトをスタートしました。
2 日
最初の顧客へソリューションを展開するのにかかった時間
6 か月
InUseのMRMソリューションを使いこなすまでにかかった時間
サービス
サービスを組み込んだセールスモデル
2020年、NKCでは機器のサービス化に欠かせない、自社AGVの使用状況を理解するためのコネクテッドソリューションを模索していました。
2021年初め、AGVに実績のあるInUseを選定、同社のサポートを得て最初のコネクテッドサービスを設計、AGV ROBO Fork 15に搭載します。
AGVのPLC、ナビケーションシステムからのデータを活用したInUseのMRM(マシン・リレーションシップ・マネージメント)ソリューションにより、NKCではAGVの使用状況を把握することができるようになりました。さらに、この新サービスにより、下記のようなお客様からの問い合わせに的確に応えることが可能となります。
さらに、特定した不具合情報は、今後の診断の際のカテゴリ分け(安全、ミッションへの不適合、バッテリー不良等)、問題発生場所の特定、解決手順、アラート出しに反映されます。
これにより、統括責任者や技術者は問題を素早く解決できるようになり、AGVの稼働率が向上します。
こうしたソリューションは、NKCの顧客に様々なメリットをもたらしています。
例えば、AGVの経路上に繰り返し存在する障害物による微小停止を特定・定量化することで、走行計画が調整できるようになりました。これにより、バッテリーの寿命が延び、計画と実績が一致するようになりました。
同様に、障害の発生場所を特定することで、オペレーターは現場に急行、推奨手順も示されるため、障害解決にかかる時間を大幅に短縮することができます。
NKCが提供するこの機転の利くサービスはユーザーに好印象を与え、顧客満足の向上につながっています。
さらに多くのデータ収集により、AGVの実際の使用状況に関する様々なヒントが得られるようになりました。
『ほんの数か月でチームメンバーはInUseのMRMソリューションをマスター、お客様が満足する、自律的でアジャイルな新しいデジタルサービスを展開することができました。これで当社は拡張性を持って、EAASへの変革をスタートできます。』
NKC 輸送機物流推進室 光川 竜右マネージャー
NKCについて:
中西金属工業グループの一員であるNKCは軸受、コンベア、自動制御装置、AGVといった産業機器や補材を幅広く取り扱っています。